main-img

10年暮らして見えたリアル

  • 2025.09.10

こんにちは、ドマゲティ英語留学&移住センター(DEEC)代表の増田です。

「海外で子どもを育てるってどうなの?10年暮らして見えた“リアルな答え”」


私がフィリピンに渡ってから10年以上が経ちました。今回は、その10年間で見えてきた「海外で子どもを育てるということ」について、ありのままをお話ししたいと思います。


「海外で子育てって、実際どうなんですか?」
「大変じゃないですか?」
「言語も文化も違う中で、子どもはちゃんと育ちますか?」


これらの質問は、これまで本当にたくさんの日本の親御さんたちからいただきました。

正直に言いますと、はい、大変です。簡単じゃありません。

でも、同時に、かけがえのない学びと成長と楽しさがあることも、声を大にして伝えたいです。
私が最初にフィリピンに移住したのは2012年。その後、現地で結婚し、長女(現在9歳)、次女(6歳)を授かりました。
フィリピンでの子育ては、日本の子育てとはまったく違う環境の連続でした。(私は日本で20歳で長女を授かり次女3女と3人の子持ちでしたが、離婚し離縁してしまっています。


言葉、文化、習慣、学校のシステム、医療…ひとつひとつが“初めてづくし”の中での子育ては、常にハラハラの連続でした。
たとえば、言語の問題。うちの娘たちは、家では英語、外では英語とビサヤ語を使います。最初は混乱することもありました。
「なんて言えばいいかわからない」と泣いたこともあります。

でも、ある日ふと気づいたんです。

子どもたちは、大人よりずっと早く順応している。長女が英語で自己紹介できた日、次女が近所のフィリピン人の子どもたちと自然に笑いながら遊んでいた日。


その姿を見て、「この子たちはこの環境で“自ら生きる力”を育てている」と確信しました。
海外での子育ては、語学の習得以上に、「異文化の中でどう人と関わるか」「どう自己表現するか」
という、生きていくうえで本当に大切な力を自然と養ってくれます。
そしてそれは、親である私たちにとっても同じことでした。「こうでなきゃダメ」という日本的な価値観が、少しずつ崩れ、柔軟になり、「今この瞬間を大切に楽しむ」という感覚が育ちました。
フィリピンの人たちは、本当に家族を大事にします。子どもは地域全体で育てる、という空気があるんです。

要は、親である私自身の問題課題が多かったわけです(笑)
レストランでは、店員さんが子どもに冗談を言って笑わせてくれる。みんな他人を怖がらないんです。ミスがあっても分からなくっても笑っておしまい。(笑)

これって人類最強の処方箋ですね。


この「子どもをみんなで育てる」社会の優しさは、日本ではなかなか味わえないかもしれません。もちろん、不便もあります。
電気や水が止まる日もあるし、バスが時間通りに来ないのも当たり前(笑)日本のようなきめ細やかな医療体制もありません。
だけど、それらを「不便=悪」と切り捨てるのではなく、どう乗り越えるか」を考えることが、
親子にとっての大きな成長につながるのです。
日本での子育ては、たしかに便利で清潔です。でも便利さが「親の孤独」を深めてしまっている一面もあるのでは?と、私は時々感じます。

海外生活では、良くも悪くも人との関わりが濃くなります。ご近所さん、学校の先生、買い物先の人た誰もが、子どもと関わる大人になる。だからこそ、親だけでがんばらなくていい。

「助けて」と言える空気が、ここにはあります。もっと言えば助けてもらえばいいんです。立派になる必要をきつく感じて自分を責めるのは本当に良くない。ここでは、助けた側も笑っておしまいです。
10年という月日を経て、私たち家族はたくさん泣いて、たくさん迷って、たくさん笑って、ここまで来ました。
そして今、子どもたちはたくましく、柔軟で、人懐っこく育っています。英語を話せるだけでなく、いろんな国籍の人たちと自然に関われる。そんな世界に通じる人間力を着実に身につけています。

最後に、今迷っているお母さんにお伝えしたいことがあります。
海外での子育ては、たしかに勇気がいります。でも、完璧な準備やスキルなんて、必要ありません(そんなものは存在しない)。
大切なのは「この子に、どんな未来を見せたいか」そして、「その未来を一緒に歩んでいきたい」という気持ち。
その一歩を踏み出した時、あなたとお子さんの中に、きっと新しい世界が広がるはずです。

次は、あなたとご家族の番かもしれませんね。