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選択肢教育 最終章 行先を照らす

  • 2026.07.18

最終章        行先を照らす

 

15年前、私はフィリピンへ来ました。

 

その時の私は、楽しい未来が見えていたわけではありません。

成功する自信があったわけでもありません。

むしろ、不安の方が大きかった。

 

生活、  仕事、  お金、  家族、  将来

 

分からないことばかりでした。

 

それでも、気がつけば15年以上が過ぎていました。

振り返ってみると、時の流れは本当に不思議です。

 

思い描いた通りになったことは、それほど多くありません。

むしろ、思いもよらなかった出来事の方が多かった。

失敗も、 後悔も、 遠回りもありました。

それでも今思うに、あの時の自分に必要だったのは、答えではなかった。

誰かが示す正解でもなかった。

 

必要だったのは、ほんの少し行先を照らしてもらえる事だったのだと。

 

人生には、自分で歩かなければならない道があります。

誰かが代わりに歩いてくれるわけではありません。

 

家族も、  親も、  先生も、  友人も、  AIも

代わりにはなれません。

 

だから答えを与えることはできない。

 

しかし、行く先を照らすことはできるかもしれません。

ここにこんな道がありますよ。

こんな生き方もありますよ。

こんな選択肢もありますよ。

そう伝えることはできる。

そして最後に選ぶのは、その人自身です。

 

私は最近、それでいいと思うようになりました。

 

昔の私は、周りの人を説得したかった。

講釈を述べて、理解してもらいたかった。

正しいと思う方向へ導きたかった。

しかし今は少し違います。

 

それぞれの人には、それぞれのタイミングがあり、それぞれの答えがあります。

 

DEECを通して出会う親御さんたちもそうです。

親子留学を考える方。

移住を考える方。

子どもの将来を考える方。

自分自身の人生を考える方。

皆さん、それぞれの悩みや不安、そして期待を抱えています。

 

私はその答えを持っているわけではありません。

ただ、フィリピンで15年生活してきた中で見えた景色を、少しだけ共有することはできます。

 

15年のフィリピン生活で、私が手に入れたものは、お金ではありませんし、成功でもありませんでした。

それは、人生には一つの正解しかないという思い込みから、少し自由になれたことでした。

そして、その自由を、次の誰かにも伝えていきたいと思っています。

 

私は今日も、フィリピンのドゥマゲッティの田舎町で、静かに暮らしています。

 

そしてこれからも、必要な人がいたら、お話を聞きたいと思っています。