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留学自体を役に立つ“経験”にしようとすると、価値が下がる理由とは

  • 2026.01.29

こんにちは、ドゥマゲッティ英語留学&移住センター(DEEC)代表の増田です。

留学自体を役に立つ“経験”にしようとすると、価値が下がる理由とは。

海外で学ぶ子どもにとって、最も大切なものは、経験そのもの。

ところが親としては、ついこう考えてしまいます。

 

「せっかく海外で学ぶなら、将来役に立つことにしてほしい」

「この経験を点数や成果につなげたい」

「留学の費用や時間を無駄にしたくない」

 

もちろん、親心として自然な思いでしょう。

しかし、心理学的には、こうした発想が経験の価値を減らしてしまうことがあります。

 

経験は“結果化”した瞬間に死ぬ

 

心理学の内発的動機づけ理論(Deci & Ryan, 1985)では、人は自分の意思で行った行動に意味を見出すとき、最大限に力を発揮するとされています。

逆に、親や他者が経験に「意味」や「役立つ成果」を与えようとすると、子どもはそれを“義務”や“評価されるべき結果”として捉え始めるそうです。

結果として、

 

自分の意志で挑戦する楽しさが失われる

失敗や試行錯誤の価値が薄れる

経験が「生きた学び」ではなく「消費すべき成果物」に変わる

 

こうして、経験は、結果化した瞬間に死ぬとも言える状態になってしまうのでしょう。

 

役に立つ経験=親の期待?

たとえば、日本の教育文化では、何事も「成果に結びつけること」が重視されていると思います。

 

英語力をつける → 将来の仕事に役立つ

現地の文化を学ぶ → 学校のレポートに使える

異文化の友だち作り → 留学成果としてアピールできる

 

親としては、こうした形での活用を期待しがちな場合が多い。

しかし海外での子どもの成長は、点数や成果物では測れません。

思考の柔軟性、自己判断力、文化の理解力、挑戦心などは、経験そのものの中でしか育たない力だからだとかんじます。

 

経験の価値は“プロセス”にある?

子どもが海外で得るものの多くは、結果としての英語力や資格よりも以下のような、

 

自分で考えて問題を解決する力

他者との関わりの中で学ぶコミュニケーション力

失敗しても立ち直る力

 

こうしたプロセスそのものにあるのではないでしょうか。

 

内発的動機づけ理論でも、

「行動の理由が外部に依存すると、やる気や成長が低下する」

と指摘されています。

 

どう関わると経験を活かせるのだろうか?

親ができることは、結果ではなく過程を尊重することが考えられます。

 

経験の価値を「役立つかどうか」で判断しない

結果よりも、挑戦したことや考えたことを褒める

「失敗しても大丈夫」と安心感を与える

 

こうすることで、子どもは自分の意思(自分の気持ち)で行動して、自分の経験として定着させることができると考えます。

 

日常でできる具体的な工夫とは何だろう?

たとえば、それぞれの家庭でできることとしては、(例)話を聞くだけの日を作る。

「今日は何をやったの?」ではなく、「どんなことを考えた?」

結果を良いとか悪いとかの評価をしないで、点数や英語力の伸びではなく、努力や工夫を見守るような態度が必要かと感じます。

 

小さな失敗も共有するということ

「こんなこともあったんだね」と自然に話すことで、学びの価値を再度体感させてあげる。

これだけで、経験は生きた学びとして残り、後で成果を出す力の源になっていくでしょう。

 

「役に立つかどうか」を手放す勇気(これが結構難しい)

私を含め、親としては、つい「将来のために」と考えてしまいがちですよね。

でも、経験を結果化しようとするほど、子どもの成長は抑えられてしまうのが現実と聞きます。

 

重要なのは、経験の意味は子ども自身が見つけるものと信じることでしょう。

それができているかどうかの判断は、現実は難しいですが、親としてここは耐えるものだと感じます。

 

海外での生活や学びは、点数や資格に換算できない力を育てます。

親が評価や役立ちを押し付けず、子どもが自分のプロセスを感じられる環境を作ることが、

最大の支援であり、愛情ではないでしょうか?