南国フィリピンのドゥマゲッティへの親子英語留学、移住サポートをしています、DEECの増田です。
「日本では考えられない!? 家族と地域の“距離感”が心地いい理由」
今回は、フィリピンに10年以上暮らす中で感じた、家族や地域の人との「距離感」の違いについて。
日本とはまるで違う、人と人との近さが生み出す温かさや、最初は戸惑ったけれど今ではすっかり心地よくなった、そんな体験をお話しさせてください。
■ 最初は「ちょっと入り込みすぎじゃない?」と感じた距離感。
私が2012年に単身でフィリピンへ移住し、ドゥマゲッティへたどり着いた当初、
まず驚いたのは、他人との距離感の近さでした。
家の前を掃除していると、通りすがりの人が「こんにちは〜!あんた日本人?」と、初対面でズバッと聞いてくる(笑)
子どもが近所で遊んでいると、誰かしらが「おやつ食べな〜」と声をかけてくれる。
市場で買い物をしていると、知らないおばちゃんが娘の頭をなでて、「この子、誰に似たの〜?」と盛り上がる。
私を日本人だと認識した段階で(こんにちは)と日本語で声をかけてくる、笑顔の謎のおじさん。
正直、日本人感覚では「ちょっと踏み込みすぎじゃ…」と感じる場面も多々ありました。
これらに総じて共通する感覚は、(変に思われても、自分がハッピーなら平気)っていう感覚でしょう。
■ 妻や子どもたちは、それが普通。
でも、フィリピン生まれの妻や、こちらで育っている娘たちは、そんな距離感を自然に受け入れています。
むしろ「それが安心感につながってる」とすら感じているようです。
近所の人が毎朝「今日も学校がんばれよ〜!」と声をかけてくれる。
学校帰りに「〇〇ちゃん、こっち通ってたよ」と誰かが教えてくれる。
こうした地域ぐるみの見守りが、家族だけで子どもを守らなくてもいい安心感につながっているんです。
日本のように「隣に誰が住んでいるかわからない」という環境とは真逆で、
ここでは「知り合いじゃなくても声をかけ合う」のが日常。
■ ドゥマゲッティの人付き合いの心地よさ。
ドゥマゲッティという街は、観光地というより「暮らしの街」です。そのため、派手さはありませんが、人と人の関係がとてもゆるくて楽。
たとえば…
食堂に何度か通えば、顔を覚えてもらえ、「今日は○○あるよ」と勧めてくれる。
子どもが友達の家に遊びに行けば、おやつを出してもらえ、「帰る時間だよ〜」と送り出してくれる。
水道が止まれば、隣の家がバケツを貸してくれる
自分の子どもを、他人も自然に気にかけてくれる文化。
これがどれだけ親にとって救いになるか、身をもって実感しています。
■ フィリピンでは「家族=血縁」ではない。
もう一つ、驚いたのは家族の定義がとても広いこと。
妻の親戚は本当に多く、遠い親戚でも「ファミリー」として接します。
そしてその「ファミリー」は、しょっちゅう家に来たり、ご飯を食べたり、子どもを預かったり。
私は最初、「親戚多すぎて正直疲れるな…」と思ったこともありました。でも、ある日妻に言われた言葉が胸に残っています。
「血がつながってなくても、一緒に支え合う人たちが家族なんだよ。」
正直ささえ合うというより、現実的にはうちが支え続けているとも感じていましたが((笑))
後々、形ではないものに支えられていることも感じるようになりました。
それからは、私自身も地域や親戚の人たちを支え合う仲間として見るようになり、このコミュニティの優しさが心地よくなってきました。
■ 子どもたちが育つ地域に愛される感覚。
長女(9歳)も次女(6歳)も、地元の公立校に通っています。英語とビサヤ語を使いこなしながら、地元の子どもたちと日々遊び、学びます。
でも、私が何より嬉しいのは、「地域の子」として受け入れてもらっている実感があること。
たとえば、学校のイベントに行けば、周囲の先生や保護者たちが「ああ、マスダさんの娘ね!」とすぐに声をかけてくれる。
遠足のときも、親が同行しなくても、「大丈夫、先生たちも他のママたちも一緒に見てるから!」と言ってもらえる。
この、社会の中で子どもが育つ感覚は、日本ではなかなか味わえなかったものでした。
おそらく昭和の時代の日本(私が児童として育てられていたころ)にはあったんだと思いますし、うっすら記憶しています。
そんな記憶が、ここフィリピンのドゥマゲッティに心地よさを覚えるのかもしれません。
■ 「ひとりで頑張らなくていい」文化。
日本で子育てしていた頃は、「ちゃんとしないと」「迷惑かけないように」と、どこかで、(自分たち家族だけで完結しなきゃ)というプレッシャーを感じていました。
でもフィリピンでは、いい意味で「人に頼ること」が当たり前。
それを恥ずかしいとも、甘えとも思いません。家族が助けてくれるご近所が見守ってくれる社会全体があなたの子を受け入れてくれる。そんな環境だからこそ、親も子どもものびのびと生きていけるんです。
■ 留学・移住を検討中の方へ。
「知らない土地で、知らない人たちと暮らすのは不安」そう感じるのは当然です。私もそうでした。
でも、ドゥマゲッティには、人と人とのあたたかな近さがあります。
それは、時に驚き、でもやがて心地よく、家族の意味を広げてくれる経験です。
ここでは、「子どもをひとりで育てる」必要はありません。地域で、みんなで育てていく。
この安心感が、あなたの親子留学や移住を、もっと豊かでやさしいものにしてくれるはずです。