こんにちは、ドマゲティ英語留学&移住センター(DEEC)代表の増田です。
医療と緊急時の備え① 「現地で頼れる病院と診療科」
親子留学や移住を検討されている方から必ず聞かれる質問のひとつに「病院は大丈夫ですか?」というものがあります。
特にお子さん連れだと、発熱やケガ、アレルギー反応など、いつ何が起こるかわかりません。私自身もフィリピンでの生活を始める際、この点は大きな不安材料でした。実際に住んでみて感じるのは、「ドゥマゲッティには信頼できる病院があり、診療科も揃っている」ということです。
ただし、日本と同じ感覚で利用するにはいくつかポイントを理解しておく必要があります。ここでは私の経験を交えて、現地で頼れる病院や診療科について詳しくご紹介します。
● ドゥマゲッティの主な病院。
ドゥマゲッティには大小複数の病院がありますが、日本人や外国人がよく利用するのは次の2つです。
Silliman University Medical Center(シリマン大学病院)
市内最大規模の総合病院で、設備が整っており医師のレベルも高いです。英語が通じやすく、留学生や外国人居住者が最も多く利用しています。私の家族も子どもが急な発熱をした際にここにかかり、スムーズに診てもらえました。
Holy Child Hospital(ホーリー・チャイルド病院)
規模はやや小さいものの、小児科や内科に強みがあり、親子連れには安心です。救急の受け入れ態勢も比較的整っています。
この2つは「いざという時に頼れる病院」として必ず押さえておくべきです。
● 診療科について
日本と同様に、内科、小児科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻科などの基本的な診療科が揃っています。ただし、専門医が少ない科もあります。例えば、アレルギー専門医や発達関連の小児専門医などは限られており、必要に応じてセブ島やマニラの大病院に紹介されるケースがあります。
実際、私の知人は子どもの喘息発作でシリマン大学病院を受診し、そこで適切な処方を受けつつ、必要に応じてセブへの転院も検討するよう説明を受けていました。このように「まずはドゥマゲッティで診てもらい、必要なら大都市へ」という流れが現実的です。
● 費用について
気になるのが医療費です。フィリピンは医療費が日本より高い傾向があります。診察料は500〜1000ペソ(約1,200〜2,500円)程度、入院費は部屋のタイプによって大きく変わりますが、個室なら1日10000ペソ前後(約27000円)からかかります。
*保険はありませんので、退院時に現金支払いです。
このため、保険に加入しておくことが重要になります。後述する「常備薬と保険の準備」と合わせて必ず確認しておきたいポイントです。
● 現地の医療体制の特徴
フィリピンの医療機関は、薬の処方や検査の進め方が日本と少し異なります。例えば抗生物質を比較的早めに処方する傾向があったり、検査を患者側が希望しないと進まないこともあります。
フィリピン保健省(DOH)も次のように述べています: Patients are encouraged to actively communicate with their doctors regarding treatment options and ask for a second opinion if necessary.(患者は治療方法について積極的に医師とコミュニケーションを取り、必要であればセカンドオピニオンを求めることが奨励されている。) 出典:Department of Health,Philippines
つまり「受け身にならず、医師に質問する姿勢」がとても大切です。我が家も、妻が「なぜこの薬が必要なのか?」と聞くようにしており、納得して治療を受けられるようにしています。
● 日本人コミュニティの情報は宝
病院選びで役立つのが、日本人コミュニティの口コミです。
「あの小児科医は優しくて説明が丁寧だった」「この病院は待ち時間が短い」など、実際の体験談は本当に貴重です。当センターでも利用者の方から得た情報を共有し、安心して医療機関を利用できるようにサポートしています。
● 増田からのアドバイス
親子留学や移住を考えるとき、医療面の不安は避けられません。ただし、実際にドゥマゲッティで生活してみると「頼れる病院はあるし、子どもを診てもらえる体制も整っている」と感じます。重要なのは以下の3点です。
事前に「どの病院に行くか」を決めておく。
保険証やパスポートのコピーを常に携帯する。
病院の連絡先を家族で共有しておく。
これらを準備しておくだけで、不安はぐっと減ります。特にお子さんのいるご家庭では「もしもの時に迷わず動ける体制」を作っておくことが、安心して生活する第一歩だと思います。

戻る