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カトリック文化と家族の絆の深さに気づかされた話

  • 2025.09.15

南国フィリピンのドゥマゲッティへの親子英語留学、移住サポートをしています、DEECの増田です。


今日は、私たち家族がフィリピンで暮らすなかで深く実感した

「宗教と家族のつながり」についてお話しします。

■ カトリック(カソリック)の国、フィリピン
ご存じの方も多いかもしれませんが、フィリピンは人口の約80%がカトリック教徒という、アジアでは珍しいキリスト教国です。
特に地方都市であるドゥマゲッティでは、宗教が人々の生活にしっかりと根付いています。

日曜の朝、どこの家庭からも「礼拝に行くよ〜!」という声が聞こえてきます。
道には教会に向かう家族連れがずらり。白い服、清潔な身なり、子どもも手をつないでニコニコ。
その光景を見たとき、私は最初は馴染めないながら、心が少し温かくなるのを感じました。

■ 宗教は「行事」ではなく「日常」だった
私自身、日本で育ちましたが、宗教とはあまり縁のない生活をしてきました。
だから最初の頃は、教会へ通う妻と子どもたちの習慣に、ちょっとしたカルチャーショックを受けたのを覚えています。

「そんなに真面目に行かなくても…」と最初は思ったものです。
でも妻は笑顔でこう言いました。

「これは“義務”じゃなくて、“家族として感謝を伝える時間”なの」

それを聞いたとき、私は宗教行事だと思っていた“礼拝”が、
この国では**「心を整える家族の時間」**として根付いていることに気づきました。

■ 子どもたちも自然に“信じる心”を持っている


うちの娘たちは、フィリピンで生まれ育ったフィリピン人(戸籍上は日本国籍にしています)です。
母である妻の影響もあり、小さい頃から当たり前のように教会へ行きます。

9歳の長女も、6歳の次女も、まだ完全には意味を理解していないかもしれません。
でも彼女たちの中には、「家族で一緒に教会へ行く時間」が“安心”になっているように感じます。

教会では、大人も子どもも静かに手を合わせ、お祈りをします。
その光景を見ていると、「信仰の力」って、ただ宗教的なものだけじゃなく、
“心を支える仕組み”なんだなと思うのです。

■ 日本人としての違和感、そして変化
私自身はカトリック信者ではありません。
だから最初の頃は、「何を祈ればいいんだろう」「場違いなんじゃないか」と感じていました。

でもある日、知り合いのフィリピン人にこう言われたんです。

「信仰のかたちは自由です。大切なのは“誰かを思う時間”を持つこと」

それからは、娘たちと一緒に手を合わせる時間を、
「今日も元気にいてくれてありがとう」と家族に感謝する時間にしています。

■ フィリピンの「家族第一主義」と宗教の関係
フィリピン人の多くが「家族」をとても大切にします。
その背景には、宗教的な価値観(思いやり・感謝・ゆるし)が日常にあるからだと私は思います。
ありがとう、感謝です、許します、愛してます、と天国言葉連続のライフスタイルです。

妻の家族と一緒に食卓を囲むと、
「今日もごはんが食べられて感謝だね」
「神さまが見てるから、悪いことはしないよ」
そんな言葉が当たり前のように交わされます。

一方で日本では、忙しさの中で感謝や祈りの時間がどこか遠い存在になってしまうこともあります。

フィリピンでは、それが生活の“真ん中”にあるんです。

■ 異文化の中で見つけた「心の余白」
移住して10年以上が経ちますが、
私は今、このカトリック文化に触れたことで「心の余白」が増えた気がします。

日本では“結果”や“効率”ばかりに目がいって、物質的金銭的成功だけを求めていたいた自分が、
今では「今日一日を丁寧に生きる」ことの大切さを感じられるようになりました。

まだまだ修行中ですが(笑)

そしてそれは、親子関係にも変化を与えてくれました。

忙しくしていた頃は「早くしなさい」「何やってるの」とイライラすることばかりだった。
でも今は、子どもたちの“今”に寄り添い、「今日も生きててくれてありがとう」と心から思えるのです。

■ 留学や移住で出会う“心の文化”
これからフィリピンでの親子留学や移住を考えているご家族の中には、


「宗教って、私たちに関係あるの?何か気を付けることって?」と不安に感じる方もいるかもしれません。

でもどうか安心してください。
信仰を持つか持たないかではなく、その文化を体験することで、もっと深くこの国に寄り添えるようになりますし、
良い意味で、ゆっくりと自分自身を見つめるきっかけにもなるでしょう。

私などは、これらの経験を経て仏教に今更関心をもち始めている状態です。

「違いを知ること」は、「違いを認め合う」ことの第一歩です。
その体験はきっと、あなたの子どもにとっても、人生の大きな学びになるはずです。

私はいつもこう思います。

「この家族で、今日もこの街で、穏やかに暮らせることに感謝」

これが、私がドゥマゲッティで見つけた、何より大切な“心の文化”です