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「『現地校にいきなり放り込むのは不安…』

  • 2025.10.21

こんにちは、ドマゲティ英語留学&移住センター(DEEC)代表の増田です。

今回は「『現地校にいきなり放り込むのは不安…』その疑問に答えます。」というテーマで、公的制度・インター校の取り組み・当センターの実体験をもとに、「現地校インター校へいきなり通学スタートする不安」を整理し、それを払拭するための仕組みや準備方法を具体的にお伝えします。

 

1.放り込むようなスタートが不安な理由とは?

最初に、多くのお母さまが「いきなり現地校(インター校)に入れること」に対して抱える代表的な不安を挙げます。

〇英語がほとんど話せない状態で授業についていけるか

〇周りの子どもたちと友達になれるか、居場所が持てるか

〇授業内容や進度が速すぎて混乱しないか

〇教科用語・宿題・発表などが突然難しく感じるのではないか

〇文化的な違いや学校独自のルールに慣れるまでに時間がかかるのではないか

これらの不安は自然なもので、親としても慎重になるのは大切ですが、それに対して学校制度・家庭が備えているサポート体制もたくさんあります。

 

2.公的制度・学校側での準備・支援制度

いきなり放り込むようにならないよう、多くの学校・教育制度においては以下のような準備・支援が整えられています。

フィリピン教育省(DepEd)のガイドライン「Orientation or Onboarding of Learners」では、新入生(特に転入生/異なる環境から来る生徒)を対象に初期オリエンテーションを行うことが指示されています。これにより、学校のルール・時間割・教員紹介・教室の案内など、日常生活の基盤を把握する機会が保証されています。

国際校(例:International School Manila 等)には、英語を母語としない生徒向けに EAL (English as an Additional Language) プログラムや、Learning Support 部門があり、生徒が授業初期にスムーズに参加できるような言語支援や補習が設定されています。

ドゥマゲッティの学校でも同じような補修制度などがある学校もたくさんあります。

また、学校によっては転校生・新入生を対象に transition program(移行プログラム)や orientation sessions を設け、登校日の流れ・教室のルール・休み時間の過ごし方・保護者とのコミュニケーション方法などを前もって教える機会を提供します。

たとえば 、「新しい学年や新しいキャンパスに入る際には、学校側で transition プログラムがあり、事前に日程や施設・時間割を共有することで不安を軽くできる」という内容を紹介しています。

 

 

3.DEECでの実体験:いきなりスタートした子がどう支えられたか

DEECでサポートした親子留学ケースの中にも、「現地校にいきなり通学を始めた」家庭があります。その中で見られた不安とそれを乗り越えたプロセスを具体例でお伝えします。

Case A:Grade 1(小学1年) 入学直後の男の子

この子は英語経験がほぼゼロでした。最初の数日は授業の指示がまったく聞き取れず、黒板を見て戸惑う様子が多く、休み時間にも誰とも言葉が交わせませんでした。しかし、オリエンテーションで先生が「教室ルール」「時間割」「クラスメイトの紹介」をゆっくり行い、朝・昼休みに簡単な英語で会話できる時間を設けてくれたことで、1〜2週間で表情が明るくなり、友達に話しかけるようになりました。

 

Case B:中学年で引越してきた女の子

日本での教育制度とのギャップ(教科内容・進み方)に最初は戸惑いがありました。学校のサポートで、予習資料をもらい、家庭で教科書を先に見ておく・先生との簡単な質疑応答時間(after class / office hours)を利用することで、3〜4週間で授業の流れと教科用語に追いついていきました。

 

Case C:性格が控えめで発表を避けがちな子ども

クラスの発表やグループワークで声を出すのを怖がる子。先輩や同級生のサポート役をつけ、少人数で練習できる場を設けてくれました。また、家庭で発表内容を練習し、成功体験を重ねることで自信を持ち始めました。

 

4.親としてできる事前準備と不安を軽くする工夫

いきなり現地校が不安なママとして、以下の準備をしておくとスタートがずっとスムーズになります。

 

〇学校オリエンテーションを最大活用

入学前・登校前に学校が提供するオリエンテーションや見学日に参加し、校舎や教室、先生・登下校経路などを実際に見ておくこと。予想される朝の流れ・休み時間の様子などを把握しておくと安心。

事前下見で心を落ち着かせられます。

 

〇英語に少しでも触れておく

家庭で英語の歌・絵本・動画などを取り入れて「英語の音」に耳慣れるようにする。簡単なあいさつや日常表現を少し使ってみる。

ユーチューブの子供チャンネルなどで英語で今はやっている歌やダンスを見てみる。

 

〇教科用語・生活用語の準備

算数や理科の基本語彙、教室でよく使われる英語表現(Can I go to the restroom?, I don’t understand, Could you repeat that?など)をあらかじめ親子で練習しておく。

 

〇コミュニケーションを学校と保つ

入学前に担任や EAL 教員と話して、「子どもにとってどの部分が不安か」「サポートはどうなっているか」「家庭でできる補助は何か」を相談しておく。

やはり現場での確認が安心です。

 

〇家庭での小さな成功体験をつくる

家で簡単な発表をしてみる、英語で自己紹介を練習するなど、子どもが“できた”と思える体験を少しずつ積むことが自信につながります。

 

 

5.公的・研究からの裏付けデータ

DepEd の文書「Guidelines: Orientation or Onboarding of Learners」では、新規入学生向けのオリエンテーションが制度化されており、生徒が学校環境に慣れることを支援するルールが設けられています。

deped.gov.ph

Nord Anglia Education の記事 “Helping Your Child Transition from Primary to Secondary School” は、学校が新入・転入生のために「情報提供」「スケジュールの共有」「クラブ活動への参加を促すこと」で、子どもの不安を軽くする対策を実施していると紹介しています。

やはりスポーツや、ゲームなどは言葉を超えた直感のコミュニケーションですから、その分なじみが早くなります。

 

 

6.まとめ:不安をチャンスに変えるために

「現地校にいきなり放り込むのは不安」という気持ちは非常によくわかります。でも、学校制度・家庭の両方にしっかりとした準備とサポート体制があれば、その不安は十分に軽くできます。

 

DEECとしては、親御さんにはこうお伝えしたい。

完璧を求める必要はありません。最初は「わからなくて当たり前」「聞き取れなくてもいい」を前提に、少しずつ慣れていけば良い。

多くの国際校には、新入生オリエンテーション・EAL補習・クラスでの支援制度など、「投げ込む」のではなく「導かれて入る」仕組みがあります。

ご家庭でできる準備も、小さなステップで着実に。親子で安心感を共有しながら進めることが、子どもにとって最大の支えになります