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「学年別に見るインター校での授業内容まとめ」

  • 2025.10.08

こんにちは、ドマゲティ英語留学&移住センター(DEEC)代表の増田です。

今回は「学年別に見るインター校での授業内容まとめ」というテーマで、公的機関・信頼校の情報と当センターの経験を踏まえて、「学年ごとにどのような教科・活動内容があるか」「どんな学び方か」を整理します。

親子留学を検討中のママが「何をいつから学ぶか」の目安がわかる内容です。

はじめに

インター校では学年(Grade)ごとに扱う教科・授業内容が少しずつ変わっていきます。

低学年は基礎重視、中学年で発展・探究型学習、高学年では応用・選択科目が増える傾向があります。

「どの学年で何を学べるか」が見えると、親として準備もしやすく、子どもの期待値も明確になりますので、下記に代表校および公的制度の例を学年別にまとめます。

 

●教育制度の公式ベース:フィリピンの K-12 カリキュラム

まず公教育制度(DepEd=フィリピン教育省)の基本科目を押さえておきましょう。Grade 1~10 の科目は以下のものがあります:

〇Mother Tongue(母語)

〇Filipino

〇English

〇Mathematics

〇Science

〇Araling Panlipunan(社会科)

〇Edukasyon sa Pagpapakatao(倫理・人格教育)

〇Music

〇Arts

〇Physical Education

〇Health

〇EPP / TLE(技術家庭・実用科目)

deped.gov.ph

この制度をベースに、多くのインター校ではこれらの科目を英語で学ぶ形を取り、さらに国際教育プログラムを統合している学校もあります。

 

●学年別内容の代表例(基礎〜応用)

以下は、International School Manila (ISM) やその他信頼できる国際校のカリキュラム例と、当センターで見てきた親子の体験をもとにした、学年ごとの典型内容です。

 

 

●Kindergarten(3〜5歳)

英語・母語としての言語遊び    基礎の算数など)、音楽・芸術・体操など遊びを通じた学び。

探究型および遊び中心。絵本の読み聞かせ、歌、手を使ったアクティビティ、色や形を実物で学ぶなど。

 

●Grade 1〜3(低学年)

英語・リテラシー(読み書き)、算数基礎(足し算・引き算、形・計算の理解)、Science 入門(動植物・身の回りの自然)、社会(家庭・地域)など。

ビジュアル教材・実物教材が多く、身体を使った学び。先生の読み聞かせ、ペアワーク等。

 

●Grade 4〜6(中学年)

算数の応用(掛け算・割り算・分数など)、理科での実験型学習(科学のプロジェクト)、社会科の範囲が広がる(国・歴史・地理)、ICT(情報技術)の導入、芸術・音楽・体育など幅広い科目。

探究型学習(inquiry-based learning)が多くなる。 調べ学習や発表、プロジェクト作成。グループワークやアウトプット重視。家庭での宿題や読書量が増える段階。

 

●Grade 7〜8(中学導入・中学生前半)

より抽象的な数学内容(代数の基礎・幾何)、理科で複雑な概念(化学 / 生物 /地学の基礎)、英語・文学・文章理解、社会科で歴史・地理の応用、モダン言語(第二外国語)、選択教科やクラブ活動が始まる。

探究型・プロジェクトベースの課題が増え、課題提出・プレゼンテーションなどアウトプット力が問われる。

 

●Grade 9〜10(中学生後半/Junior High)   より高度な数学(代数拡張、幾何、統計)、科学(化学・物理・生物の専門的内容)、社会科・歴史の理解深化、英語文学・ライティング・論理的議論、ICT・技術科目、選択科目の幅が広くなる。 DepEd の科目に EPP/TLE や実用科目も含む。

 

生徒自身が学びの主導を取る活動が増える。試験形式のテスト、グループプロジェクト、プレゼン、研究課題など。将来の進学を見据えた準備が始まる。

 

●Grade 11〜12(高校相当)

高等教育準備科目:STEM トラック、文系トラック、技術・職業科目の選択、科学・数学の上級内容、英語・文学または言語科目、社会科・倫理、ICT・応用技術、大学入試準備や国際資格(IB や A-Level 等)を導入している学校もある。

大規模プロジェクト、進路・キャリア教育、論理的思考・研究スキル、発表・ディベートなどが重視される。学校によっては外部テスト(IB 等)対応がある。

 

 

低学年(Grade 1~3)では、語彙力が少ないため「授業理解よりも安心感」が学びに直結することが多い。ビジュアル教材・身体を使った活動・先生やバディによるフォローが特に効く段階です。

中学年で探究型学習やプロジェクトが加わると、子どもの好奇心が伸び、学校に来ることが楽しみになる子が増えます。ただし場面によっては準備時間・宿題量が増え、家庭でのサポートが必要になります。

高学年に入ると、教科専門性が強まり、抽象的な概念が増えるため、「過去の基礎の理解」「語彙・英語の読み書きスキル」が重要です。進路や資格取得を見据えた科目選択が始まる学校も多く、学校の成績評価方法や大学・進学準備の制度を早めに確認することが安心につながります。

 

●当センターからのアドバイス:どの学年で何を重視すべきか

親子留学を成功させるために、ご家庭でチェック・準備しておきたいポイントを学年ごとに整理します。

〇低学年(Grade 1〜3)

教科学習の理解よりも「英語に慣れる」「友達との交流」を重視。読み聞かせ・語彙カードなど家庭でのサポートが効果的。

〇中学年(Grade 4〜6)

探究学習やプロジェクトが入るため、発表準備や調べ学習の手順を教える。宿題や復習の習慣をつくること。

〇中学導入期(Grade 7〜8)

教科専門性が高まるため、教科書内容や教員の説明速度・授業形式(グループ・個人)の違いを見学で確認。選択科目の幅も考慮。

〇中学後半・高校準備期(Grade 9〜12)

進学を見据えて、試験対応力・論理的思考力・英語での読み書きスキルを磨く。外部資格取得や将来の進路相談ができる学校を選ぶ。

 

 

まとめ

学年が上がるにつれ、インター校での授業内容は「基礎から発展」「受動から能動」「一般教科から選択科目へ」と進化します。

公式制度と国際校での実例からも、この流れは明確です。お子さまの現在の学年と性格・英語力に合わせて、「いつ何を重視するか」を見極めて準備を進めることが、安心して留学生活をスタートする鍵です。