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算数や理科も英語で!ママが一番不安なポイントを徹底解説。

  • 2025.10.07

こんにちは、ドゥマゲッティ英語留学&移住センター(DEEC)代表の増田です。

【算数や理科も英語で!】ママが一番不安なポイントを徹底解説。

 

「算数や理科を英語で教えるなんて、複雑な言葉が多いし、うちの子にできるか心配…」というママの声、よく聞きます。ですが、インター校でこの不安をクリアにできるしくみがあります。

今回は、公的・信頼できる情報+当センターの体験から、「算数・理科の英語授業」でよくある不安とその対応策を整理し、安心して選べるよう徹底解説します。

 

1.不安その1:専門用語・難しい語彙がわからない

算数の問題文や理科の説明には、専門用語や抽象的な表現が多く登場します。英語初心者の子どもにとって、その語彙の意味を一つひとつ理解しなければならないのは負荷が大きいです。

公的情報/研究からのアドバイス

英語教育の研究で、「CLIL(Content and Language Integrated Learning)」という手法があります。CLIL研究では、教科内容(数学・理科)と英語を統合して教えることで、語彙理解と教科学習が同時に進むと指摘されています。

特に、生徒が英語で教科を学ぶ際には、視覚資料・図・動画などを使って「意味を視覚的に補う」ことが理解促進に有効であるという報告があります。files.eric.ed.gov

また、フィリピンの教育制度でも STEM 教育(Science, Technology, Engineering, Mathematics)を強化していく動きがあり、教育省は教員研修や教材支援を通じて、「教科内容と英語理解の両方を育てる」ことを目指しています。

 

●当センターの経験上の対応策。

子どもが新しい用語に出会うたびに、絵・模型・実験などを使った「見える説明」を先に導入するよう、学校見学や授業参観で確認しています。

例えば、「density(密度)」「volume(体積)」などは、水や砂を使って重さと容量を体験させながら導入すると理解が早いです。

授業外で語彙カードやフラッシュカードを用意し、家庭で少しずつ覚える取り組みを薦めます。学校の EAL 担当者との連携で、毎週習った教科用語をリストアップしてもらうケースもあります。

まずは個人のレベルに合わせて、学校側に要望することが必要です。

 

2.不安その2:計算・演習問題が速く進む・応用問題が難しい。

算数の計算や理科の応用問題では、手順や考え方を理解しているかどうかが問われますが、英語でその説明が入ると、処理速度が遅くなったり、「どの式を使うか」が分からないことがあります。

●公的/公式事例からの支援策

STEM に関する研究では、「反復演習(drill)+ペアワークやグループ討論を組み合わせる方式」が、内容理解と英語使用の両方を伸ばすとされています。CLIL の効果を分析した研究でも、数学を英語で教えるときには、演習量だけでなく「言語を処理する時間」を確保することが重要だと報告されています。

以上を考慮し、学校側も英語に慣れていない生徒には、図や写真などを見せて理解を促す工夫などがされています。

フィリピン教育省および STEM 教育促進団体では、教員研修を通じて「英語で教科を教える際のペース配分」「学生が質問できる余裕のある授業設計」の指導が含まれています。例えば、Mapua STEM Teach 2.0 プログラムでは教員が授業設計ノウハウを学び、演習問題・復習問題を授業の中に組み込む方法を共有しています。pids.gov.ph

 

●当センターの経験上の対応策

入学前に家庭で「計算ドリル」や「理科の簡単な実験動画」などを使って、手順・ロジックを英語で追う訓練を少しでも始めることをおすすめしています。

今ではユーチューブなどでもたくさんのこれらの動画が無料で見られます。

授業中、子どもが理解できないと思われるときは、先生に「ステップバイステップで教えてほしい」とお願いするようママたちにアドバイスしています。

小グループ補習やチュータリングの制度がある学校を事前に確認しておくことも重要です。

 

3.不安その3:評定・成績が下がるのではないか。

英語で算数や理科を学ぶと、言語理解が遅れたために内容理解が追いつかず、テストでの成績が一時的に下がることを心配するママもいます。

●公的/研究からの裏付け

CLIL を取り入れた研究では、初期段階では言語による障壁があるため、内容の理解度(content comprehension)は非 CLIL 授業よりやや低くなることがあるが、中〜長期で見ると言語力と内容理解の双方が改善するというデータが複数あります。MDPI

また、Translanguaging(母語と英語を行き来しながら学ぶ方法)を活用することで、内容理解を補強しつつ英語力を伸ばせるという報告が DepEd の学習方法研究で出ています。母語を一時的に使うことで子どもの心理的な安心感が増し、質問をしやすくなるためです。e-saliksik.deped.gov.ph

最初の1学期は成績よりも「どれだけ授業を理解できているか」「どれだけ自分で質問できるか」に注目するようママたちにお話ししています。成績が下がっても、それは「学ぶ過程」の一部です。

学期末だけでなく、各ユニットごとにミニテストや先生とのフィードバックを受けられる学校を選ぶと安心です。学校見学の際に「成績評価基準」「どのような形式でテストが出るか」を確認しておくこともおすすめです。

 

●英語で教科を教える先生が、英語も教科内容も十分に指導できるかどうかは大きな不安です。

公的/実例情報

教員を対象とした CLIL 指導者研修(例えば Cambridge ESOL の “Teaching Maths through English – a CLIL Approach” ガイド)では、教員が言語の入力(英語の説明)をどう構造化するか、また生徒が理解しやすい言語サポート(語彙のリフレーズ、視覚補助、模型・実験など)を使えることが重要とされています。

また、フィリピンでは STEM 教育の質を上げるため、教員研修プログラム(Mapua STEM Teach 2.0 など)が国・教育省と連携して実施されており、教科知識+英語運用力を併せ持つ指導者育成が課題となっていることが公表されています。pids.gov.ph

 

体験授業やオープンハウスで先生の教え方を実際に見るのもおすすめです。

授業で分からないと感じたら、遠慮せず先生に「どのステップで迷ったか」を伝えること。多くの学校で、補講、EAL サポート、小グループの説明、追加教材などのフォローが可能です。

 

5.まとめ:不安を見える形で対策できる。

算数・理科を英語で学ぶことには確かに挑戦があります。でも、公的機関や学校の制度、CLIL や STEM 教育の研究、当センターが見てきた実例から、不安を乗り越える具体的なサポート体制があります。

ママとしてできることは、学校選びのときに「教科の英語授業で何がどうサポートされているか」を質問し、家庭でも準備を進めること。

インター校で算数・理科を英語で学ぶ不安は、「語彙」「速度」「理解」「教員の質」といった具体的な点にありますが、制度や研究、経験を通して、それらを順にクリアできるサポートがあります。

当センターとしては、ご家庭に合った学校を選ぶサポートをしますので、まずは気になる点を学校で直接確認したり、要望を伝えたりすることが大切です。どうぞ安心してご相談ください。